もっとも、そこは多様な顔をもつ音楽家、ラングレンである。今作は楽曲ごとに異なるゲストを迎えたマルチ・コラボ作的な体裁がとられていて、単なる〝回帰〟に収まらない意欲的な試みが打ち出されている。ゲストの顔ぶれも、ドナルド・フェイゲンやダリル・ホールから、ロビンやデイム・ファンク、そしてトレント・レズナーまでじつに豪華。なかでも注目はやはり、レズナーとNINのアッティカス・ロスを迎えたダーク・アンビエント〜エレクトロ風の⑪だろう。あくまでラングレンの歌を中心に置きながらも、多彩なアレンジによる解釈で、その持ち味や奥行きを引き出す「プロデュース」が貫かれている。今作もまた果敢な〝問題作〟だ。 (天井潤之介)
織りなす〝回帰〟と〝実験〟
トッド・ラングレン『ホワイト・ナイト』
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ALBUM
もっとも、そこは多様な顔をもつ音楽家、ラングレンである。今作は楽曲ごとに異なるゲストを迎えたマルチ・コラボ作的な体裁がとられていて、単なる〝回帰〟に収まらない意欲的な試みが打ち出されている。ゲストの顔ぶれも、ドナルド・フェイゲンやダリル・ホールから、ロビンやデイム・ファンク、そしてトレント・レズナーまでじつに豪華。なかでも注目はやはり、レズナーとNINのアッティカス・ロスを迎えたダーク・アンビエント〜エレクトロ風の⑪だろう。あくまでラングレンの歌を中心に置きながらも、多彩なアレンジによる解釈で、その持ち味や奥行きを引き出す「プロデュース」が貫かれている。今作もまた果敢な〝問題作〟だ。 (天井潤之介)