音楽的には同時期のジョン・レノンの『イマジン』に通じる装飾のないロウでシンプルなバンド・サウンドだが、ヨーコのボーカルが強烈すぎる。前衛というのも生ぬるい、およそロックやポップスの歌唱のセオリーや公式を外れまくった歌……というよりは奇声というかうめき声というか、チリチリとした奇妙なビブラートを利かせたボーカルは、その音程の不安定さも相まって、実に聴く者を不安な気持ちにさせてくれる。それはまるで、手前が後生大事に抱えてきた常識とかモラルとか日常の因果律とか既存の価値観を根本から揺さぶられ、ぶち壊されていくような、ある種の快楽だ。その分好き嫌いは激しく分かれそうだが、コントラバーシャルな表現たらんとする姿勢なのだから当然。ヨーコがポップ・スターではなく真のアーティストたるゆえんである。(小野島大)
常に挑戦的で冒険的であること
ヨーコ・オノ『フライ』
発売中
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音楽的には同時期のジョン・レノンの『イマジン』に通じる装飾のないロウでシンプルなバンド・サウンドだが、ヨーコのボーカルが強烈すぎる。前衛というのも生ぬるい、およそロックやポップスの歌唱のセオリーや公式を外れまくった歌……というよりは奇声というかうめき声というか、チリチリとした奇妙なビブラートを利かせたボーカルは、その音程の不安定さも相まって、実に聴く者を不安な気持ちにさせてくれる。それはまるで、手前が後生大事に抱えてきた常識とかモラルとか日常の因果律とか既存の価値観を根本から揺さぶられ、ぶち壊されていくような、ある種の快楽だ。その分好き嫌いは激しく分かれそうだが、コントラバーシャルな表現たらんとする姿勢なのだから当然。ヨーコがポップ・スターではなく真のアーティストたるゆえんである。(小野島大)