今月の「土下座したくなった1枚」

yonige『girls like girls』
2017年09月20日発売
yonige girls like girls
イントロ、曲構成、コード進行、ギターリフの作り方と音色、ベースのフレージングと音、キックとスネアの感じ、どこをとっても「今どきの若い子のギターバンド」の枠から一歩も出ていない。類型的、とすら言っていい。なのに、ああなのに、聴いているとこんなにドキドキソワソワ心臓バクバクする、新鮮さに満ちた音楽になっているのはなんなんだ。才能なんだ、と思う。とりあえず1曲目“ワンルーム”の《あげっぱなしの便器がやけにリアルで恥ずかしくなった》という歌い出しで「うわ、天才だ! 伏せろ!」ってなってから、10曲目まで打ちのされっぱなし。たとえば、SHISHAMO宮崎朝子が作家として俯瞰で描いている若人のリアリティを、当事者の独白として描くのが牛丸ありさ(Vo・G)、といえばそのすごさが伝わるだろうか。クソオヤジの俺でも聴いていると脳がグラグラするぐらいだから、10代20代は「これ私じゃん!」ってなると思う。ってもうなってるか。もっともっとでかい規模でそうなると思う、これから。しかしバケモノのように曲が書けるんですね、牛丸って。参りました。(兵庫慎司)
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