「骨」「芋」に宿るアジカンの核心
ASIAN KUNG-FU GENERATION『BEST HIT AKG Official Bootleg “HONE”』『BEST HIT AKG Official Bootleg “IMO”』
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ベスト盤第2弾『BEST HIT AKG 2』と同日発売されたこの2作品の「裏ベスト」的な選曲はそれぞれ、前回のベスト盤『BEST HIT AKG』リリース当時にゴッチ自身が「骨っぽい曲」「芋っぽい曲」としてブログで公開していたもの。その定義は名言されてはいないものの、“サイレン”、“転がる岩、君に朝が降る”、“新世紀のラブソング”など時代と/世界と真っ向から対峙する理想主義的な側面を高く掲げた楽曲群=「骨っぽい曲」、“エントランス”、“君という花”、“イエス”など、己の身を焦がすような制御不能な衝動や闘争心が露わになった青春性に満ちたナンバーを「芋っぽい曲」と呼びつつ、そのいずれかの要素のフェーダーが極限まで振り切れた曲を、それぞれシングル表題曲からカップリング曲、アルバムの収録曲まで幅広くピックアップした――ということなのだろう。そして、この2枚のアルバムのトラックリストを、『BEST HIT AKG 2』のものと重ね合わせてみると、各曲のバランスの差こそあれ、アジカンの楽曲にはそのふたつのファクターが常に表裏一体で脈動していることが改めてよくわかるはずだ。(高橋智樹)