元ソニック・ユースのキム・ゴードンと、フリー系ギタリストのビル・ネイスによるデュオ・プロジェクト。2年前のライブ盤を挟んで、スタジオ録音としては5年ぶりの2作目になる。フィードバック・ノイズやドローン、アンビエントなギター・テクスチャーを重ねてアブストラクトなサウンドスケープを描き出していくスタイルは変わらず。インプロビゼーションを主体とした演奏はライブの臨場感に近いが、前作『カミング・アパート』も手がけたジャスティン・ピッツォフェッラート(ソニック・ユース、ダイナソーJr.etc)のプロダクションが音に空間的な奥行きをもたらしている。ハイライトは終盤に置かれた10分を超える2曲。幽玄に囁くゴードンの歌声も交え、意識の奥底へと誘うような瞑想的な音世界を作り上げている。なお、来年にはゴードンのソロ・アルバムも予定されている。(天井潤之介)
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