全身全霊のコラボ作

レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー『アリー/スター誕生 サウンドトラック』
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OST
レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー アリー/スター誕生 サウンドトラック

レディー・ガガの初主演作として大注目を浴びた『アリー/スター誕生』。公開済みのアメリカでは批評家も絶賛し、大ヒットを記録。サントラも1位を獲得と大成功となった。その鍵のひとつは、恐らく初監督/主演のブラッドリー・クーパーがガガ他、マーク・ロンソン、ジェイソン・イズベル、ウィリー・ネルソンの息子ルーカス・ネルソンなど、音楽クリエイターを選ぶ目に狂いがなかったことも大きいと思う。さらに彼は、音楽を聴いただけで物語が語られることを目標としてサントラを制作。大ヒット中の“シャロウ”を聴けばクーパー演じるロック・スターのジャクソンが、ガガの演じるアリーを無理やりステージに上げ、彼女が初めて脚光を浴びる瞬間が手に取るように分かるはずだ。また、ジャクソンが歌い始め、最後にアリーが歌い上げるが、その瞬間に観客も、「スターが誕生した!」と思う説得力があることも肝心だ。今作には、ジャクソンがアリーの本物の才能に気付く瞬間に歌われるピアフの“ラ・ヴィ・アン・ローズ”から、スターとなった後に披露されるポップな“ホワイ・ディド・ユー・ドゥー・ザット?”、また最後に披露される悲痛なバラード“アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン”など、ガガの才能だからこその幅広いジャンルの曲が収録されている。ブラッドリー・クーパーは、エディ・ヴェダーをお手本にロック・スター像を作ったそうだが、“ブラック・アイズ”などを聴けば、モノマネに終わらない実力を発揮していて驚く。ガガも彼女自身と重なる役柄だが、「すべてを出し尽くした」と映画だけの幻想世界をしっかり構築している。撮影中に生で歌うことを提案したのはガガだそうだし、初監督、初主演コラボが奇跡的に昇華された情熱に心動かされる作品。(中村明美)



『アリー/スター誕生 サウンドトラック』の詳細はUNIVERSAL MUSICの公式サイトよりご確認ください。

レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー『アリー/スター誕生 サウンドトラック』のディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー アリー/スター誕生 サウンドトラック - 『rockin'on』2018年12月号『rockin'on』2018年12月号
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