「無期限活動休止」ではなく「解散」なのは、公式コメントどおり「この4人でできることは精一杯やりきった」からだろう。デビュー10周年目前に解散を選択するという潔さが、いかにも彼女たちらしく清々しくもあった。
ラスト音源となる2枚組オールタイムベスト。インディーロック、オルタナ、フォークロック、シンセポップ、エレクトロニカ、クラブミュージックなど、ジャンルにとらわれない制作、緻密に練られた音色とフレーズ、それらを日本のポップスとしても通用する楽曲へ昇華させるメロディとアレンジセンス――彼女たちが奇跡的なバランスでロックとポップスの素養をどちらも保ち、アップデートさせてきたことをあらためて思い知った。新曲“LAST SCENE”はバンドの生音と打ち込みを融合させた軽やかな楽曲。12年間のバンド活動の充実を音で示すのはもちろん、手紙のように素直に綴る歌詞も涙腺を緩ませる。心地好く自然に乗れるダンスミュージックを追求してきた4人が最後の最後、彼女たち自身が自然体で踊れる楽曲を完成させたことを、心から喜びたい。(沖さやこ)
洗練されたロックとポップスの昇華
ねごと『NEGOTO BEST』
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