「生き延びる」以上の意味

ジミー・イート・ワールド『サヴァイヴィング』
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ALBUM
ジミー・イート・ワールド サヴァイヴィング

前作リリース時、ジム・アドキンスは「100%自分の力を出し切っているか、単に楽な方に逃げてないか、意識的に自身へ問いかけるようにして、あえて危険な道を選び、その中から答えを導き出す形にしていった」と語った。この最新アルバムに関しても「常に何か違うことを試みなければ」といった内容のコメントを出している。「新しいことに挑戦し続ける」という信念のもと、作品ごとにプロデューサーを変えたり、積極的にデジタルを導入したり、逆にアナログ録音にしたりと、これまでも色々やってきながら、そうした方針にもかかわらず、いずれの作品も彼ららしい楽曲のクオリティは保ってきた事実が、このバンドの表現のピュアネスを証明しているように思う。

今回は珍しく、前作と変わらないチーム――パラモアウルフ・アリスなどを手がけたジャスティン・メルダル・ジョンセンの共同プロデュース、フェイリュアーのケン・アンドリュースがミキシングを担当する体制――でレコーディングされた。前回あまりにも上手くいったので、また一緒にやらない手はないと考えたのだそうだ。ただ面白いことに、すでに顔なじみとなった人間と2度目の共同作業に向き合ったことにより、いっそう新鮮さがくっきり伝わってくる結果が出た。例えばビデオが先行公開された“オール・ザ・ウェイ(ステイ)”ではサックス・ソロを、さらに以前までとは異質なビデオが印象深い“555”はシンセ・ベースをフィーチャー。ラストを飾る6分超の“コングラチュレーション”における展開も、前作の最終曲“ポル・ロジェ”以上に聴き応えがある。

デビュー25周年にして、これだけの充実作を作り上げてみせたジミー・イート・ワールド。今後もずっと末長くつきあっていけるに違いない。 (鈴木喜之)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』12月号に掲載中です。
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ジミー・イート・ワールド サヴァイヴィング - 『rockin'on』2019年12月号『rockin'on』2019年12月号
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