何だこの置いてかれた感は

1990s『キックス』
2009年04月08日発売
ALBUM
1990s キックス
まったく意味が分からない。まずアー写、なんで異様なまでに垢抜けているのか。そういえば、ジャケットも変わった。前作『クッキーズ』のジャケも今作同様女性の脚だったが、あっちは、なんというか、もっと偶像化された感じの、ディテールをあえて潰したような写真だったはずだ。それに較べて今作はどうだ。艶があって生々しい。おまけにギターが立ててある。何のメタファーだ。そして音。こっちも格段に垢抜けた、というか、肉感的でセクシーさすら漂うロックンロールになってしまっている。しかも、アルバムのテーマは「グラスゴーと女」だそうである。熱でもあるのか1990s。

と、彼らに勝手に同志意識を抱いていた僕としましては、「はあ?」としかいいようのない大変化が起きている。というか実際に来日公演で観た彼らは、どこまでも冴えないインディ・ガイズだったはずなのだ。しかしこれは、悔しいが完璧な脱皮だ。おそらくプロデューサーのバーナード・バトラーのつてだろう、ロング・ブロンズのケイトが参加していたりして、かぎりなく「モテ」路線の2ndである。電車男の成功をモニタ越しに見ていた人の気分。(小川智宏)
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