飛躍を物語る大収穫の2作目

フィービー・ブリジャーズ『パニッシャー』
発売中
ALBUM
フィービー・ブリジャーズ パニッシャー

LA出身のシンガー・ソングライター。The 1975との共演、またジュリアン・ベイカーやルーシー・ダカスと組むボーイジーニアス名義で参加したヘイリー・ウィリアムスのソロ・アルバムをきっかけに存在を知った、という読者も多いかもしれない。3月に予定されていたザ・ナショナルとの来日公演は残念ながらキャンセルとなってしまったが、このたび待望のニュー・アルバムがリリースされる。賞賛を得たデビュー盤『ストレンジャー・イン〜』に続く2作目で、彼女自身がプロデュースも共同で手がけている。

昨年の来日公演で初披露された“ガーデン・ソング”を含む全11曲。弾き語りを軸としたスタイルは変わらないが、ホルンやストリングスなど様々な楽器を交えた音色は多彩で、アレンジの幅を大きく広げている。軽快なオーケストラル・ポップ風の“キョウト”は最初のハイライトだが、とりわけ耳を引くのは楽曲の随所を彩る音響的プロダクション。歌声に施されたエフェクト然り、時にフィールド・レコーディングも織り込まれたアンビエントなテクスチャーが、フォークやカントリーのオーセンティックなソングライティングを空間的な奥行きを持ったサウンドに仕上げている。アーケイド・ファイアも連想させる壮大な“I Know The End”は、そんな今作の成果を象徴する白眉の一曲に挙げたい。

今作にはボーイジーニアスの面々、ウォーペイントのメンバー、さらにブリジャーズとベター・オブリヴィオン・コミュニティ・センターというユニットで活動するブライト・アイズのコナー・オバーストらがゲストで参加。前作から3年の間で彼女が遂げた飛躍を物語る1枚といえるだろう。パーソナルな色合いを深めた歌詞にもじっくりと耳を傾けたい。 (天井潤之介)



詳細はBig Nothingの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』7月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

フィービー・ブリジャーズ パニッシャー - 『rockin'on』2020年7月号『rockin'on』2020年7月号
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