溢れ、匂い立つほど大切な記憶

WANIMA『Milk』
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WANIMA Milk
3月に緊急配信された“春を待って”に続く配信シングルで、5月22日の『ミュージックステーション』では、PIZZA OF DEATHのガレージでの演奏風景が放送された“Milk”。パンキッシュで威勢のいいジャンプブルースの曲調だけれども、その歌からは味わい深い記憶と感情が立ち上ってくる。インスタライブで披露されていたのは、KO-SHIN(G・Cho)がアコギ、FUJI(Dr・Cho)がカホンをプレイするゆったりしたテンポのパフォーマンスで、繊細な歌心を大切にする制作過程のそれに近いアレンジだったのではないだろうか。グラスに注いだミルクが溢れるように、ミルクの乾いた匂いが広がるように、どこか甘酸っぱいような青春の記憶がとめどなく蘇ってくる歌詞。その記憶の風景の中には、確かにあなたの笑顔があった。《空っぽの瓶に 今年も咲いた好きなあの花を/過ぎた日々を鮮やかにつつむ》という歌詞は、美しいアートワークに描かれた花のことを指しているのだろうか。青いカーネーションの花言葉は「永遠の幸福」だそうだ。たとえ離れた場所にいたとしても、幸せを願う思いは今も咲いている。(小池宏和)

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