昨年に怒涛のシングル/EP連続リリースを繰り広げ、今年3月のフルアルバム『!magination』は全曲が新曲。5月に緊急配信されたシングル“光はわたしのなか”がまた素晴らしいナンバーで、7月1日に届けられるのがこのニューシングル『エモめの夏』である。
Hey! Say! JUMPや
DISH//への提供曲なども含めると、とりわけ熊木幸丸(Vo)の尋常ならざる創作ペースは一体どうなっているんだというところだが、何にせよ嬉しい驚きである。「エモめ」というワードをタイトルに据えただけでも技ありな表題曲は、夏にぴったりな瑞々しいディープハウス風のナンバー。キャッチーなフックを張り巡らせながら、狂おしく悩ましい恋心をしたため、《もう戻れない/その背中で夏を食べるよ》とキレキレのリリシズムまで炸裂させている。ダンス性能の高さと、優れた歌詞の両立が、彼らラッキリの大切な魅力だ。一方、カップリングの“新しい夏を駆けて”は、しなやかなメッセージに満ちたサマーチューン。インドア派のエレクトロポップを舐めるなよ。冷房の効いた部屋でも、近所迷惑にならないぐらいに踊りまくれ。(小池宏和)
『ROCKIN'ON JAPAN』2020年8月号より