人生のシナリオに喧嘩を売れ

King Gnu『三文小説 / 千両役者』
2020年12月02日発売
SINGLE
King Gnu 三文小説 / 千両役者
本作リリース後の12月6日には、幕張メッセでのツアーファイナル&生ライブ配信を控えたKing Gnu。ダブルタイトルのシングルのうち、先行配信も行われた“三文小説”は、重厚なストーリーをもつTVドラマ『35歳の少女』の主題歌としてオンエアされている。《あゝ/駄文ばかりの脚本と/三文芝居にいつ迄も/付き合っていたいのさ》とは主題歌としてかなり挑発的だが、物語の筋に照らし合わせてみると途方もなくロマンチックで、痛ましい思いが伝わる。重厚なストリングスアレンジが美しいバラードの描き出す感情表現も含めて、主題歌提供に寄せる覚悟の大きさを窺い知れる曲だ。

一方の“千両役者”は、熱くアップリフティングなファンクグルーヴが立ち上り、間違いなく今後のライブでも熱狂を生み出してくれるはずのナンバー。くるくるとスイッチする常田大希(G・Vo)と井口理(Vo・Key)の歌もスリリングであり、“三文小説”と呼応するようにヒリヒリとした生きる覚悟と愛の価値が紡がれている。つまりこの2曲が並ぶことで、バンドのメッセージが立体的に浮かび上がる構造になっているのだ。(小池宏和)

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