1stアルバムにして名盤

ブラック・クロウズ『シェイク・ユア・マネー・メイカー[ 30周年記念3CDエディション]』
発売中
ALBUM
  • ブラック・クロウズ シェイク・ユア・マネー・メイカー[ 30周年記念3CDエディション]
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  • ブラック・クロウズ シェイク・ユア・マネー・メイカー[ 30周年記念3CDエディション]

長い活動の中で幾度か、休止や解散・再結成をしてきたブラック・クロウズ。2015年の解散時はクリスとリッチのロビンソン兄弟の関係がさらにこじれ、さすがにこれで終いかとなったが、2019年末に再結成がアナウンスされ、2020年に1stアルバム『シェイク・ユア・マネー・メイカー』の30周年ツアーを行なうことも発表された。コロナの影響でツアーは今年に再設定となったが、それに先駆け『シェイク・ユア・マネー・メイカー』の30周年記念エディションがリリースとなる。ロビンソン兄弟とプロデューサー、ジョージ・ドラクリアス監修のもと、アルバムの最新リマスター、2CD版では未発表曲+B面曲が、3CD版でさらに故郷での未発表ライブ音源が加わる。

ブラック・クロウズといえばこのイントロのリフが挙がるだろう、独特の粘度があってタメを効かせた“トゥワイス・アズ・ハード”でアルバムは幕を開ける。米南部で結成し、その土地と血に脈々と流れるロックンロールやリズム&ブルースのヴァイブスが純粋培養されたサウンドで、当時まだメンバーは20代前半だったと思うが、すでに貫禄というか、色っぽさもその音やボーカル、紡ぎ出すグルーヴに練りこまれている。隆盛を極めたヘヴィ・メタルが飽和状態となり、グランジ前夜の地殻変動が起こる時期にひょっこりと現れた、華やかで浮世離れした存在感も人気に一役買ったところだろう。“ジェラス・アゲイン”、オーティス・レディングのカバー“ハード・トゥ・ハンドル”や、フォーキーな“シー・トークス・トゥ・エンジェルズ”等のシングル曲も軒並みヒットし、デビュー作にして波に乗ったアルバムとなった。兎にも角にも、兄弟の仲直り(休戦?)があってこその30周年。ツアーの無事を祈りたい。(吉羽さおり)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』3月号に掲載中です。
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ブラック・クロウズ シェイク・ユア・マネー・メイカー[ 30周年記念3CDエディション] - 『rockin'on』2021年3月号『rockin'on』2021年3月号
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