叫びが熱を帯びている

アイナ・ジ・エンド『ワタシハココニイマス for 雨』
発売中
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アイナ・ジ・エンド ワタシハココニイマス for 雨
「堰を切ったように」というのはまさにこういうことなのだろう、とアイナ・ジ・エンドの活動を見ていると思う。3月3日のEP『内緒』、A_oとしての“BLUE SOULS”、客演やカバーなども含めればもっと。そしてこの“ワタシハココニイマス for 雨”は自身が出演する「ピッコマ」のCMソングとしての書き下ろしである。ソロツアーのバンドメンバーでもある河野圭のプロデュースのもと生み出された、軽やかに走るビートとギターサウンドが印象的なロックチューンだ。そのアプローチも新鮮だが、何より新鮮なのは彼女の書く言葉とメロディ。アルバムの時は暗闇で手探りするようにして言葉を掘り起こしていたような歌詞が、どんどんオープンで、シンプルで、強いものになってきている。自分の中にある感情をどうにか吐き出そうと絞り出されていたメロディが、空を飛ぶ鳥のように自由奔放に動き回っている。《まやかしにまやかされてばかり/ちっぽけ 本当の私》という自己像も《あぁ 生き抜こう》という決意も変わらないが、それを歌うアイナの歌には躍動するパワーがみなぎっている。(小川智宏)

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