1月1日にサプライズリリースされた“Bloom in the Rain”を皮切りに、コンスタントに配信で新曲を発表している
Nothing's Carved In Stoneの今年3作目のシングル。力強いリズム隊の音が前面にフィーチャーされ、突っ走るというよりも一歩一歩踏みしめて歩くようなテンポが身体に響く1曲だ。“Beautiful Life”というポジティブなタイトルを冠しつつ、《限りある道 振り返るたびに/「自分」を無くし続けてきた日々》という歌い出しからは、ただ肯定的に前を向いているだけではない心境が伝わってくる。さらに、サビで《この世界に生まれた自分の価値に/今もまだ悩みもがいてる》と赤裸々に吐き出す。Nothing's Carved In Stoneは間違いなくロックヒーローなのだけれど、それは単にキャリアとかテクニックによるものではなく、夢みたいなフィクションでもなく、「今」鳴らすべきリアルなロックを4人で探し続けて届けてくれるからだ。彼ら自身も悩みながら生きていることを隠さないからこそ、《You're so Beautiful 孤独を抱きしめた/その手が明日を変えてく》という言葉に背中を押される。(後藤寛子)
『ROCKIN'ON JAPAN』11月号より