特に顕著に表れた楽曲が“Babel”。TeddyLoid編曲のエレクトロなトラックで、決別を歌い上げている。温かい雰囲気もなければ、バンドサウンドも入っていない。それでもsumikaの楽曲だと言えるのは、そもそも彼らが4人の形に凝り固まることなく、風通しのいいチーム的な活動を行ってきたからだろう。このタイミングで極端に振り切ることで、改めて彼らの革新性が伝わっていってほしい。
さらに、最上級のバラード“アンコール”、バンド感に血が騒ぐ“一閃”、ムーディな“Marry Dance”と、どれも表題曲になり得るクオリティを誇る。今作をたとえるなら、sumikaが住む『SOUND VILLAGE』という音楽的な村を豊かにしていく4つの種。すべてのミュージックラバーにとって至福となる、実りの季節を迎えますように。(高橋美穂)