30周年のメモリアルイヤーだった2020年を経て、昨年は新たなマスターピース『SKA=ALMIGHTY』を3月に、さらに11月にもミニアルバムをリリースしたスカパラだが、その怒涛の勢いがいまだ収まっていないことを示す3曲入りシングル。映画『ウェディング・ハイ』主題歌の表題曲では、新郎新婦を送り出す父親の目線から、幸せとノスタルジーを孕んだ少しばかりの寂しさが綴られている。また、野球中継テーマソングの“快哉を叫ぶとき”は、自問自答を通じ自らを奮い立たせていく選手の思考が熱き筆致で描かれている。どちらもタイアップに確かに応えるリリックを用意しつつ、さらにその内容に完璧に合致するサウンドが鳴らされており、プロ作家として非の打ちどころがない仕事ぶりだ。また、表題曲でもあの印象的なフレーズが引用されている“結婚行進曲”をカバーしたラストの3曲目によって、「スカパラらしい音」として自然に聴けてしまうこの3曲の演奏がそれぞれとんでもない技量によるものであることをインストで改めて直接的に示す構成となっており、その余裕も実にニクイ。(長瀬昇)
ワーカホリックゆえにサチアリ
東京スカパラダイスオーケストラ『君にサチアレ』
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SINGLE