「大人になるのは悪くないよって、みんなに伝えたい気持ちもあった」と、あいみょんが想いを伝え始まった『18祭』での演奏は、彼女の声と若者たちの声が重なり合い、爽やかな一体感と高揚感を感じさせる素晴らしいものだった。こうしてプロフェッショナルなメンバーとともにレコーディングされたバージョンを聴けば、そこにはより、あいみょんの「個」としての想い――この困難な時代を生きる若者たちの行く末に捧げられた祈りのささやかな輪郭が、切実に伝わってくる。あるいはここにあるのは、かつては「子ども」と呼ばれ、いつしかそう呼ばれなくなった自分自身の、様々な喜びや悲しみの果てに辿り着いた「今」を肯定したいという気持ちでもあるのかもしれない。
光を反射するようなギターと、大らかなストリングスが重なる、その豊かさに抱かれて。今のあいみょんだから歌えることを、偽りなく歌っている。(天野史彬)