自身を表す4文字を冠するにふさわしいフルアルバムが誕生した。初期曲であるタイトル曲をオープニングに、自分自身と向き合う覚悟を綴った“月と花束”、新たなフェーズへと突き進む決意をエネルギッシュに届ける“航海の唄”、スリリングに展開するMY FIRST STORYとのコラボレーション楽曲“レイメイ”、愛情にフォーカスした“葵橋”や“世界の秘密”、ナチュラルな音像に乗せて美学を歌う“ねじこ”などのシングル曲を収録。5年間の彼女の変遷を実感できると同時に、それらで「酸欠少女」の最新系の解釈を提示している。

彼女が音楽に落とし込むのは、息切れしそうな日常の中で見つけた自分の信念。臆せずにそれを堂々と書ききり、歌う彼女は戦士のごとく勇敢だ。“花の塔”には人生を変える出会いへの喜びと不安が生々しく刻まれ、清涼感と疾走感のあるギターロック“DAWN DANCE”では《ぼくは迷子のまんまで駆け抜けてく 今を愛せるように》や《欠落を味方にしてあげる》など人生論を歌う。全曲で突きつけられる凛とした生き様に、圧倒されるばかりだ。（沖さやこ）

『ROCKIN'ON JAPAN』9月号より