この静かな革命が毎日を変える

ねぐせ。『ワンダーランドに愛情を!』
発売中
MINI ALBUM
ねぐせ。 ワンダーランドに愛情を!
すでにファンの間では名曲との声も名高い“日常革命”。ざっくりいうと「切ない」バラードということになるのだが、この曲の歌詞をつぶさに読んでいくと、ねぐせ。が何をロックに託しているのかがはっきりとわかる。“日常革命”という曲名だけを見ると「日常を塗り替えて革命を起こしてやる」みたいなことなのかと勘違いしてしまうが、この曲で歌われているのはその逆。ふたりの日常がある日終わりを迎える、そのことをねぐせ。は《悲しい革命》と表現する。つまり、彼らは「革命を起こしたい」のでも「革命が起きてほしい」と願うのでもなく、「革命なんて起きてくれるな」と歌っているのである。“グッドな音楽を”や“スウェット”で描かれるように、彼らの音楽はささやかな日常を「幸福だ」と思うためのサプリメントのようなものだ。だがその一方で、どうしようもない感情とか、やってられないような出来事とか、そういうのをぶっ壊すのでも無視するのでもなく、ある意味飼い慣らしながら静かに転覆させていくというのは、実はいちばんタフでタチの悪い、静かな革命なのではないかとも思う。(小川智宏)

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