自身で歌うことの必然性

くじら『生活を愛せるようになるまで』
発売中
ALBUM
くじら 生活を愛せるようになるまで
yamaのデビュー曲にして大ヒット曲“春を告げる”の詞曲を手がけたことで知られるボカロP、くじら。このファーストアルバムでは、全曲を自身が歌唱している。

ポップス、R&B、ピアノバラード、ファンク、ロック……様々な音楽性を歌いこなす。“抱きしめたいほど美しい日々に”ではキレのいいラップを披露し、“薄青とキッチン”では美しいファルセットを聴かせる。その歌い手としての表情の豊かさに驚かされながらも、いちばん強く印象に残るのは、全編自身で歌うことが必然であると思える程の切実さに溢れているということだ。

特にタイトル曲のストリングスバラード“生活を愛せるようになるまで”は、生き辛さを感じる日々の中で、必死に幸せと向き合う様がまっすぐに歌われている。生きることを諦めた時期の描写もあったうえで、今のくじらは生活を愛せるようになったのではないかということを確かに感じる。自身の人生観を自らの声でストレートに解き放ったくじら。今後の躍進が楽しみになるエポックメイキングなアルバムだ。(小松香里)

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