“ヒモと愛”“ゴミ人間、俺”と、冒頭2曲のタイトルだけ並べても強烈すぎる。思わず「うわあ……」「痛たたた」と口からこぼれる恋愛模様。バズっている“本当はね、”は若干かわいい歌だけど、“美談”“好きじゃないよ”と聴き進めていくと、多くの人に身に覚えのある感情が蘇ってくる。さらに、ラブソングばかりかと思いきや“東京”“らしく”では、年齢を重ねる中でぶつかる葛藤が、まっすぐすぎるほどまっすぐに歌われている。
20~22歳のメンバーから成るヤングスキニーの1stフルアルバム。彼らと同じく「渦中」にいる同世代には、間違いなく響くだろう。そして、彼らは知らないかもしれないけれど、彼らの想像している「大人」ではない、過去の記憶に足踏みをしたり、今も思い悩んでいたりする年上の人たちは意外といるもので、そういう意味では世代を問わず響くと思う。これからも、(元カノとか)特定の人には許されないかもしれないけれど、あらゆる日常や感情を歌にしていってほしい。上手く口に出せないモヤモヤを思い切り演奏し、歌ってくれるのが、ロックバンドの魅力なのだから。(高橋美穂)
(『ROCKIN'ON JAPAN』4月号より)
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許す!というか、どうか歌い続けて
ヤングスキニー『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』
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