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スリーピースバンドを経て荒川大輔のソロプロジェクトとなったSPRINGMANの1stミニアルバム。SPRINGMANというアーティスト名からも6曲目の“勤労”というタイトルからもユニコーン愛が伝わるが、サウンドには随所にユニコーン及び奥田民生へのリスペクトを感じさせるフレーズが織り込まれており、思わずにやりとさせられる。カラフルな鍵盤が印象的でパンキッシュな“心境”で《不甲斐ないことはないさ どうかバネの如くさ/カウンター喰らわしてやれ》とSPRINGMANならではの気概を見せつけたかと思ったら、甘酸っぱくほっこりとしたバンドサウンドの“エスケープコール”では厚みのあるコーラスと共に《誰がいくら頑張っていても/僕は今日逃げたくなる》と吐露する。誰しも生活を送っていれば壁にぶつかるのは当たり前だが、SPRINGMANの楽曲は憂鬱や倦怠や不安を宿しながらも、「楽観的に行こうよ」というムードがある。荒川大輔はそうやって音楽に救われてきたのだろう。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年6月号より抜粋)
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