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今年初頭に傑作ミニアルバム『七変化』を発表しため組の、さらなる新フェーズ到来を告げるデジタルシングル。ズバリ断言すると、め組というバンドのかっこよさを一発で伝えてしまう点でキャリア随一の輝きを誇る楽曲に仕上げられている。7月に行われたワンマンでこの曲が初披露されたときには、珍しくUSエモコア風の疾走感溢れる曲調だなと感じたのだが、あらためて、菅原達也(Vo・G)はもしかするとバンドメンバーの技量・熱量をきっちり音源に刻みつけるためにこの曲をしたためたのではないか、と思い至った。特に、寺澤俊哉(B)と外山宰(Dr)のすさまじい躍動ぶりは、ライブ時のそれを余す所なく伝えることに成功しており、それだけでもグッと心揺さぶられるほどだ。そして、《君の心臓のリズムでバンドしてるよ/ちょくちょくズレたりしながら時をかける》という、悲喜交々あり紆余曲折ありの日々を抉り取る菅原のパンチラインの素晴らしさ。結成10周年に向けて勢いづくめ組にぴったりな一撃である。(小池宏和)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年11月号より)
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