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Ado初のCDシングルは両A面。“桜日和とタイムマシン with 初音ミク”では素晴らしい共演が実現した。楽曲提供はまふまふ。「ボカロ」と「歌い手」というAdoの核にあるものが「共演」という形で表現された、ボカロ文化への愛に溢れた1曲だと言える。1サビはまずミクが主旋律を、そしてAdoは下ハモで寄り添うのだが、それが自然に入れ替わり今度はAdoが主旋律を執る場面など、まるで彼女の原点から現在地までを瞬時に旅するような不思議な懐かしさを感じさせてくれる。そして両者がユニゾンで歩調を合わせるように歌う《君は誰かと笑えていますか》の歌詞などは、ミクがAdoに語りかけるように、そしてあの頃のAdoがAdo自身に問うように響く。もう1曲の“初夏”は、もともとはAdoが17歳の頃に作詞・作曲をした楽曲。自身の激しい内面的葛藤が三井律郎のアレンジにより躊躇なく表現され、叫びのような祈りのような歌声にまた心揺さぶられるのだ。(杉浦美恵)(『ROCKIN'ON JAPAN』2024年12月号より)
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