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骨太な人力ビートが貫くアンサンブルに、毎日自分を根本からリセットすれば何にでもなれると言わんばかりの強い意志を乗せたタイトル曲“fragile report”。メランコリックな鍵盤の旋律とネガティブな過去をぐっとのみ込む気持ちを呼応させ、エモーショナルなストリングスがなだれ込んで逡巡を濃くしたあと、思いを伝えることを決意するという流れを描いた“dried”。躍動的なアンサンブルに煽情的なコーラスやシャープなギターリフを入れ込み、日曜ならではの楽しみに飛び込む“さまpake”。曲ごとに音像と景色ががらっと変わる。ファーストアルバムはほぼオオスカ(G・Vo)ボーカル曲だったが、本セカンドアルバムは全曲マナミオーガキ(B・Vo)ボーカル曲なことにも驚かされる。フィジカルのみの展開であることも含めて、否が応でもあらゆる情報が入ってきてしまう今の時代において、まずは情報をシャットアウトして楽曲のみに没入してほしいという願いを感じる。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年11月号より)
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