レディオヘッドも昨年の来日公演の際に『パブロ・ハニー』や『ベンズ』の曲を、なんか他人の曲でもやるみたいに楽しそうにやっていたが、この映像を観ていると、リヴァースも『ブルー・アルバム』の呪縛から解放されたんだなと思う。自分で作った曲でありながら、その曲が自分の考えていた以上に大きなものになり、自分自身を苦しめる。ポップ・ミュージックのフィールドではそうしたケースが多々あるが、リヴァースはそれを最も正面から真摯に、不器用に受け止めてしまった人の一人だろう。だからこそ、自分のソングライターとしての黄金律との距離感を探ってきたが、もうそこからは完全に吹っ切れている。
ライブではそうしたモード・チェンジが先に表れていて、昨年の来日公演も最強のセットリストだったが、フジも絶対に楽しませてくれるはず。サプライズはあるのかな。(古川琢也)