先月のユージニアスでトロトロになっていたら御大がオレも忘れんじゃねぇーとばかりの新作だ。エドウィン・コリンズといえば5年前の脳出血が忘れられない。アーティストとしては絶望と思われたが3年前には『Home Again』を発表するまでに回復して安心させてくれたものの、やっぱり聴いててどこか不安がよぎったのも事実。しかし今作はそんなことはない。エドウィン節が最初から全開で、親しみやすい曲のそこかしこに音のツボが仕掛けられ、わかってはいてもそこにはまるのは快感。

しかもそれをさらに盛り上げるゲスト、コラボ陣の豪華なこと。個人的にはやっぱりジョニー・マーとの共作曲“Come Tomorow,Come Today”に耳がいく。あっさりとしたナンバーなのだが、その奥にかつてのスコティッシュ産ギター・ポップの魅力のエキスが巧みに染みこまされていてしゃぶるほどに深い味わい。他にもフランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノス／ニック・マッカシー、マジック・ナンバーズのロメオ・ストダート、さらにアズテック・カメラのロディ・フレイムまで、新旧ゲストがエドウィンとやることを心から楽しんでいる。（大鷹俊一）