5月に日本デビューとなるヴァクシーンズやデビュー作が夏前と言われているブラザーなど、2011年のUK新人が熱いというのはこれまでもお伝えしてきた通りだが、その2組のデビューを前に、まず大大大プッシュしたいUK新人が、このシャークスだ。これはUKが本当に久しぶりに生んだパンク・ロックである。オアシス上等のラッド魂をアンセミックに響かせるM1、ザ・クラッシュになりたくてしょうがないレゲエ・ビートのM2、日本人にとっては思わずブルーハーツじゃんと膝を叩いてしまうM3、《生死の境目に飛び込む/無謀なのではなく、命を賭けてるということ/だから新しいものを差し出してくれ》とまくしたてる必殺シングルM4など、別に新しくもなんともないのだけど、60~70年代を生きたオッサンたちのためではなく、現在を生きる10代のために、これを歌わずにはいられないというバンドのアイデンティティがヒリヒリと伝わってくる。影響を受けたのはブコウスキー。そのくせリリカルなメロディ・センスは全編で発揮されていて、脊髄直撃の快感を生み出してみせる。ベビシャンのサポートをやったことがあるのも納得。(古川琢也)