3ドアーズ・ダウン05年リリースの前作『セヴンティーン・デイズ』に続き、すでに全米No1を獲得している本作。ヘヴィ・ミクスチャーに接近した“トレイン”“ギヴ・イット・トゥ・ミー”からアンビエントな空気感の“シー・ドント・ウォント・ザ・ワールド”までアレンジの振れ幅はありながらも、その「動かざること山の如し」な王道アメリカン・ロックとしてのタフネス、そして世界丸ごと1つのストーリーに編み上げていくようなメロディの完成度は可愛げないぐらいに一分の隙もない。「チキンでも魚でも最終的にはカレー」的な楽曲展開の安定っぷりは好みの分かれるところだろうが、それすら今作の鉄壁の王道感を1mmたりとも損なうものではない。ミシシッピ州の片田舎から飛び出し、今ではそれこそ年間200本を超えるライブをこなすに至った若手パンクスのような前のめり感を、彼らは楽曲に瞬間的な殺傷力ではなく豊潤な情感を宿らせるためのエネルギーとして流し込んでいる。己の葛藤を焼き込んだ“レット・ミー・ビー・マイセルフ”“ペイジズ”といったバラードの清冽な響きが、この音に懸ける5人の意志の強さをビビットに体現している。(高橋智樹)