鋼鉄の処女、円熟期の20年

アイアン・メイデン『フロム・フィア・トゥ・エタニティ』
2011年06月15日発売
ALBUM
アイアン・メイデン フロム・フィア・トゥ・エタニティ
アイアン・メイデンも、3月12~13日に予定されていた来日公演が中止になっている。震災当日は多くの帰宅難民がスーパーアリーナで夜を明かしたそうだが、その時すでにステージ上に設置されていたであろうエディを想像すると、人々を守る神にも、人類を畏れさせる驚異の象徴にも思えてきたりする。
 
これは80年から89年までの作品から選曲されていた『時空の覇者』の続編となるベスト盤で、90年発表の『ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイング』から最新作までを網羅。ソースになったアルバムの数は前のと殆ど変わらないが、かけた年月が倍の20年だからか、あるいは大作が増えて曲単位の長さが延びたことの反映なのか、2枚組でトータル150分超のボリュームに膨れ上がった。なお『時空~』でもポール・ディアノ時代のナンバーがそうなっていたように、今回もブレイズ・ベイリー在籍時の楽曲は、ブルース・ディッキンソンの歌ったライブ・テイクで揃えられている。世界観が崩れないよう美学が貫かれているのだ。
 
アイアン・メイデンは初期!という偏見が強かった自分には、たいへん勉強になる作品でした。(鈴木喜之)
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