本作はよりミニマリスティックな反復性が強まっているが、リズム・アレンジに工夫があり、音色がより深みをまして、じつに美しく蠱惑的な世界を作り出している。四つ打ちのループ中心だが、リズムがグルーヴィで微妙な揺らぎがある。ミニマルな反復であっても、そこにはドラマがあり人間的な厚みがある。DJ用の道具としてももちろん機能するが、聴くうちにリフレインが滲みモアレのようにずれていって、気がついたらあたりの景色がすっかり変わっているような、そんな体験はザ・フィールドならではだ。
テクノという音楽に多少なりとも「無機的」「単調」「非人間的」という印象を持っている人にこそ聴いてもらいたい大傑作。(小野島大)