なに、この異様な不敵感

WHITE ASH『Paranoia』
2011年11月23日発売
SINGLE
WHITE ASH Paranoia
1stシングルのたった2曲で、バンドのポテンシャルをこれほどガツンとぶち込んでくるとは。WHITE ASH、おそるべし。「RO69JACK2010」で優勝し、ミニアルバムをリリース。それに続くのが今作だ。“Paranoia”はWHITE ASH支持者の期待をホームランで打ち返し、ロックシーンの表舞台に切り込まんとする野心がギラリと光る必殺曲。各パートの音と音の間はスカスカなのに、金属の塊をトマトのようにブシュッと潰したようなヤバいヘヴィネスがある。で、メロディはキャッチー、でも不穏。こう書くと矛盾だらけだが、そういう違和感が自然と乱反射のごとく煌めくのがWHITE ASHのロックなのだ。そして2曲目“You Go When The Light Turns Green”が重要。語感に重きを置いた英語詞が多いバンドだが、この曲はサビの部分が日本語、しかも《夢を見ているよ》というひらたく普遍性のある言葉。そして、前作にもテンポの遅い曲はあったが、この曲はさらに聴き手を包む温かさまである。どこか挑発的に聴き手を惹きつけるバンドだと思っていたが、こんな曲もあるのか。次の一手が早くも気になる。(福島夏子)
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