2時間半の根拠

ザ・キュアー『ベスティヴァル・ライヴ2011』
2011年12月03日発売
ALBUM
ザ・キュアー ベスティヴァル・ライヴ2011
私達日本人が「キュアーのライヴ」、と言われて真っ先に思い浮かぶのはもちろん4年前のフジ・ロックのステージだろう。初日のヘッドライナーとして登場した彼らの演奏は異例の2時間弱に及んだわけだが、直前の楽屋インタヴューでロバート・スミスは「短すぎる。僕らのヒット曲が何曲あるか、君だって知らないわけじゃないよね」と嫌味たっぷりに仰っていた。翻って、今年9月にUKで開催されたフェス「BESTIVAL」でのパフォーマンスをスミス先生は「最高だった」と厳かに認定しており、そんな彼の言葉の根拠となるのが32曲に及んだセットリスト、2時間半に及んだショウタイム、そして2枚組フル・ヴォリュームでのリリースとなった本作なのである。繰り返すが、これはキュアーの単独公演ではなくてフェスでのパフォーマンスである。キュアーがフェスを2時間半占有することはジジイの我儘ではなくて、切迫した必然であることを伝える、とんでもない彼らの最新ライヴ音源である。20年以上に亙って点在する彼らの幾多のアンセムが、今なお薄暗く湿った十代のベッドルームを支配し続けることを告げる、泣きたくなるような傑作。(粉川しの)
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