この歌声を繋げるために

シャロン・ヴァン・エッテン『トランプ』
2012年02月22日発売
ALBUM
シャロン・ヴァン・エッテン トランプ
ブルックリン・シーンの女性SSW、シャロン・ヴァン・エッテンの通算3作目となるAL。本作のオリジナル盤はJagjaguwarからのリリースとなっていて、アーバン・フォークの歌姫がいよいよインディ・ポップ界の新旗手として立つような意気込みを感じさせる力作になった。フォーク・スタイルでキャリアを刻み始めた彼女が、本格的にバンドを結成してサウンドをダイナミックに更新させていること。彼女の表現に魅せられたミュージシャン達も制作に協力していること。人々との繋がりの中で、シャロン・ヴァン・エッテンが生々しい息づかいを持った現象として広がってゆく、そんな印象をもたらす作風である。
 
バンド・サウンドは、彼女の歌に新たな呼吸を持ち込んでいる。エモーショナルな表現はより強く、しかし彼女独特のフォーキーな語り口では穏やかに。彼女にスタジオを提供したザ・ナショナルのアーロン・デスナーがプロデューサー的な立場で活躍し、デスナー兄弟で楽曲にも参加。1月に素晴らしい初来日公演を見せてくれたベイルート=ザック・コンドンも登場し、至上のハーモニーを聴かせてくれる。(小池宏和)
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