何度聴いても、心が震えて、冷静に向き合うことができない。そんぐらい、『伝わってくる』傑作だ。ヴォーカルテイクを録り直すことになり、約2ヶ月の延期を経て届いたandymoriの4thアルバム『光』。待っていてよかった。自分の込み上げる感情に教えられた。これまで、君のために歌うよ、なんて言われても嘘っぱちだとしか思えなかった人にこそ聴いて欲しい。体温を感じさせる歌声と、生々しい音色が、耳元で気持ちを掬い上げるように響きだすから。《僕の声が聞こえているかい?君のことを呼んでいるんだよ》(“ひまわり”)と――。とにかく、全編に亘って、ロックンロールへの愛と、ロックンロールを愛する人への愛、その二つのことばかりが歌われている。どんな丸っこい言葉を使ったポップスよりも、穏やかなフォルムのバラードよりも、人間味ある優しさを湛えているのはロックンロールであるということを、今、最も世の中に知らしめる可能性を持ったアルバムだと思う。ライヴはどうなるんだろう。たくさんの『君』が主役になって歌い出す“シンガー”なんて聴いたら、絶対に涙腺が崩壊しちゃうよ。(高橋美穂)