まんまレッド・クロス

レッド・クロス『リサーチング・ザ・ブルース』
2012年08月08日発売
ALBUM
レッド・クロス リサーチング・ザ・ブルース
個人的には『サード・アイ』『フェイズシフター』の90年代の印象が強いが、LAパンクの黎明期から活動していて(なにしろデビュー作は82年発表)、ガキ・パンクからパワーポップ・バンドになり、さらにハード・ロック/グラムからグランジなサウンドを取り入れて進化を遂げていった、マクドナルド兄弟率いるレッド・クロス。本人たちによると「怠慢だから」ということらしいが、当時から作品の発表はマイペースだった彼らが、なんと15年ぶりの新作をリリース。しかも最近はティーンエイジ・ファンクラブやボブ・モールドやルー・バーロウなど、“あの時代”の同士たちも在籍するマージ・レコードによるから嬉しくさせられる。

ハード・ロック/パワーポップを鳴らしていた『ニューロティカ』(87)時代のラインアップが復活した新作だが、最初にリリースされたタイトル・トラックは、当時のザラっとした感触が印象的なガレージ・ロックだが、アルバム全体の印象としてはまさに『フェイズシフター』。ぐいぐい曲を引っぱるパワーコード主体のリフに、バブルガム・ポップ直系の甘ったるいメロディ。満足しないファンはいないだろう。(内田亮)
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