入手以来、何度聴いてもそうした感触を受けるというのも冷静になって考えてみればただ事じゃない。オリジナル・アルバムを作れなかったのにはそれなりの理由もあるし、不安を煽る内紛騒ぎなどの話題もあったのだがそれらすべてを一瞬にして霧散させる高濃度のテンションをバンド内で醸成させたことが感動的だ。そのために『ロックス』等の傑作を共に作ったプロデューサーのジャック・ダグラスを召還し、ジョニー・デップからキャリー・アンダーウッドにジュリアン・レノン、さらにはスティーヴンの娘まで加え祝祭感を強めてもいるが中心にドーンとそびえ立っているのは、あくまでも「エアロスミス」と熱く刻印されたグルーヴだ。どの曲も明日セットリストに入れられてもまったく違和感はなく、実際、聴いてるとその光景が自然に浮かぶ。このライヴ感があるからこそ11年ぶりなんてギャップはまったく感じないわけで、さらに聴いた人間すべてがライヴに行きたくなるという意味において、まさに時代を捉えきった傑作だ。(大鷹俊一)
究極エアロ・モードに昇天
エアロスミス『ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション!』
2012年11月07日発売
2012年11月07日発売
ALBUM
入手以来、何度聴いてもそうした感触を受けるというのも冷静になって考えてみればただ事じゃない。オリジナル・アルバムを作れなかったのにはそれなりの理由もあるし、不安を煽る内紛騒ぎなどの話題もあったのだがそれらすべてを一瞬にして霧散させる高濃度のテンションをバンド内で醸成させたことが感動的だ。そのために『ロックス』等の傑作を共に作ったプロデューサーのジャック・ダグラスを召還し、ジョニー・デップからキャリー・アンダーウッドにジュリアン・レノン、さらにはスティーヴンの娘まで加え祝祭感を強めてもいるが中心にドーンとそびえ立っているのは、あくまでも「エアロスミス」と熱く刻印されたグルーヴだ。どの曲も明日セットリストに入れられてもまったく違和感はなく、実際、聴いてるとその光景が自然に浮かぶ。このライヴ感があるからこそ11年ぶりなんてギャップはまったく感じないわけで、さらに聴いた人間すべてがライヴに行きたくなるという意味において、まさに時代を捉えきった傑作だ。(大鷹俊一)