バンド名はジョン・レノンの言葉から
さよなら、また今度ね『菅原達也菊池椋介佐伯香織渋谷悠』
2013年01月16日発売
2013年01月16日発売
MINI ALBUM
まず圧倒的にメロディが素晴らしい。経験や計算では絶対に書けない、おそらく天然の才能によるものだろう。優しくて切ない。時に危険で暴力的。さらには予測不能で変幻自在――つまりロックバンドに必要とされる「基準」を全方位的にクリアしている。今年の夏にRO69JACKで優勝し、見事ひたちなかへの出場権を獲得したバンド=さよなら、また今度ね。基本はギターロック。でも「オルタナティヴ」という言葉では彼らを表現できない。シューゲイザーっぽい曲もあるし、ギタポな曲もある。でも何かが圧倒的に「ズレ」ている。そんな世界とのズレが、そのまま摩擦音になることで彼らの音楽ができ上がっているとも言える。中でも凄まじいのが、“踏切チック”という曲。大好きな女の子を追いかける妄想の唄なのだが、曲の途中で文字通り時空が歪む。3分間のロック・ソングに、恋と混沌と永遠が同居してしまっている。間違いなく、彼らの箱庭には宇宙があるのだ。そんなユニバースをよりディープに体感したい人は、彼らのHPにアップされている自作のPVを観ることをお勧めする。ぶったまげるぞ。(徳山弘基)