ざまあみろ

…アンド・ユー・ウィル・ノウ・アス・バイ・ザ・トレイル・オブ・デッド『ロスト・ソングス』
2013年01月23日発売
ALBUM
…アンド・ユー・ウィル・ノウ・アス・バイ・ザ・トレイル・オブ・デッド ロスト・ソングス
『ソース・タグス&コーズ』から10年。輝かしいメジャー・デビュー作がピッチフォークで10点満点を得るなど、当時のトレイル・オブ・デッドは、まさに00年代のオルタナ・ムーヴメントを牽引してくれるはずの存在だった。しかし、その評価と期待が逆に仇になってしまったかのように、世の中は精力的に活動する彼らに対して懐疑の目を光らせるようになり、挙句の果て、ピッチフォーク自体があのアルバムは満点の価値はなかったと開き直り、次の作品を執拗にこき下ろした。それでバンドは迷走してしまうのだが、ここ数年、メジャーを離れ、一時期はそのプログレがかった音楽性と同じぐらいに、無駄に膨れあがっていたメンバーも整理整頓した。

新作『ロスト・ソングス』はその集大成と言ってもいいかもしれない。低迷期の誇大妄想気味な組曲はほぼなくなり、メロディもコンセプトもセンチメンタリズムもすべてを当初からある“テキサスの暴れ者”気質でグイグイ押している。衒いないそのサウンドには、新たな自信と成熟を感じられる。ピッチフォークの8点という高得点はもはや彼らにとって無意味なんだろうな。(内田亮)
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