春、生きる喜びをこの歌とともに

SEBASTIAN X『ヒバリオペラ』
2013年04月10日発売
SINGLE
SEBASTIAN X ヒバリオペラ
全曲から春が薫り立つ、2000枚限定というバンド初のパッケージシングル。表題曲は求愛シーズンを迎える春のヒバリになぞらえ、恋する喜びと哀しみを一篇の映画のように美しく綴った、ポップで切ない一曲。躍動的な永原真夏のヴォーカルとキラキラのサウンドで届けられるのだから、心が踊りださずにいられない!一転、二曲目“つきぬけて”は不意にビンタをかましてくるような永原の歌の攻撃力が炸裂し、まさにパンク。《つきぬけて/この身体 無くなってしまえ》と清濁渦巻く世界で全力で生きようという意思表明が、私たちを強く鼓舞する。前作のミニアルバム『ひなぎくと怪獣』は10代の蒼く熱い感情を鮮やかに描いた作品だったが、今作はそこから踏み出し、作詞も担う永原の女性としての深みや母性のような包容力がぐっと増した印象。だからこそ“つきぬけて”の《戦うことになろうと/生きていきたいんだ》という言葉が説得力を持つ。バンドイメージにジャストフィットした矢野顕子のカヴァー“春咲小紅”、恋の終わりを明るく歌う“さよなら京都の人”という三、四曲目も絶品、必聴。(小新井知子)
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