KREVAの「今」を徹底解剖! 4年ぶりのアルバム『嘘と煩悩』完成記念――5つの質問で解き明かす

KREVA

レーベル移籍後初にして、じつに4年ぶりとなるKREVAのオリジナルアルバム『嘘と煩悩』がついに完成した。嘘の数800+煩悩の数108=908=クレバという、裏セルフタイトル作ともいえる本作。ラッパーでありメロディメーカーであり音楽家でもあるKREVAの真髄を立体的に堪能できる1枚になっている。アルバムについては『ROCKIN’ON JAPAN』3月号でたっぷり語ってもらっているのでぜひチェックしてほしい。本稿は特別編として、5つのキーワードインタビューでKREVAの「今」に迫った。

インタビュー=三宅正一

「そんなメロディを付けるんだ!」とか歌い方で全然曲が違って聴こえるんだなって

①「2016年の最も印象的だった出来事」

「う〜ん、最もじゃないかもしれないけど、FU-JIってラッパーがスタジオに来て。あいつとはもう何年の付き合いかわからないくらいなんだけど、初めて俺のところに自分の曲を持ってきたんだよ。それが“マンボー”っていう曲だから吹っ飛んで(笑)。ビビったね」

――FU-JIは“マンボー”を引っさげて、2016年の「908 FESTIVAL」の武道館公演にも出演しましたね。

「そう。インパクトがあったから。シンプルに曲を持ってきてくれたことはうれしかったけど、付き合いの長さを考えたら遅えよっていう(笑)。これが金だとしたら、貸したことも忘れてたくらいの感じだから。曲の内容もまったく期待してなかったんだけど、そのはるか斜め上をいくインパクトに笑っちゃったんだよね。そのときギャグで『武道館に出たら?』って言ったんだけど、ホントに実現して。自分が曲を作ると、今回のアルバムだったら“FRESH MODE”みたいなエモくて内省的なムードのトラックがいっぱいできるんだけど、“マンボー”はピアノの旋律が中心のトラックなのにエモくなるところが1ミリもなく、曲のタイトルどおり“マンボー”だけで乗り切っていて(笑)。そのフリースタイル感はすごいなと思った」

②「2016年の音楽外活動」

――音楽活動以外では舞台(『KREVAの新しい音楽劇 最高はひとつじゃない2016 SAKURA』)があったり、じつは映画『シン・ゴジラ』にカメオ出演したりしてましたけど。

「うちのお母さんも見つけられない『シン・ゴジラ』のKREVAね(笑)。でも、こんなこと言ったらよくないのかもしれないけど、あんなに大ヒットするとは思わなかったからビックリした。じつはあの座組(樋口真嗣監督作品)の映画にはずっと出ていて。『ローレライ』、『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』、『進撃の巨人』、『シン・ゴジラ』っていう。そろそろもっとセリフのある役もやりたいね(笑)」

――芝居に対する意欲もあるんですか?

「いや、そんなこともないんだけど。でも、どうせ出るならお母さんが見つけられる役がいいな(笑)。『あの役でしょ?』って言ってたのがことごとく違って悲しかったよ! 『ハチマキしていて〜』、『してない、してない!』っていう(笑)」

――(笑)。『最高はひとつじゃない』は音楽劇だからドラマや映画で芝居をするのとは異なる点もいっぱいあると思うんですけど、音楽劇だからこそ楽曲制作へのフィードバックがあるんじゃないですか?

「そうだね。それこそ、『最高はひとつじゃない』で共演した増田有華ちゃんやAKLOは『嘘と煩悩』の客演アーティストだしね。増田有華ちゃんが『最高はひとつじゃない』で俺が作ったラップに新しい解釈をしているのを見てすげえなって思った。『そんなメロディを付けるんだ!』とか歌い方で全然曲が違って聴こえるんだなっていう発見があって」

――新しい出会いの場にもなってる。

「なってるね。間違いなく」

――それこそ、『嘘と煩悩』の曲も『最高はひとつじゃない』に映えそうなものが多いですよね。

「そうなんだよ。このアルバムを『最高はひとつじゃない』に相当フィードバックできると思う」

ドクター・ドレーのアルバムみたいに「KREVA出てこねー!」ってなってもおもしろいかな

③「2016年のベストミュージック」

「ポスト・マローンっていうテキサス出身の白人のラッパーとシンガーの間みたいなやつがいるんだけど、12月にリリースされた『Stoney』ってアルバムが最高だった。とにかくメロディがいいんだよね。メロウだし、落ち着いていて。田舎顔なのも最高(笑)。日本人の作品は……あんまり引っかかるものはなかった。2016年は曲を作りまくってたから、ほかの人の曲をあんまり聴いてなかったというのもある。あ、この前観た映画『何者』の主題歌(中田ヤスタカ“NANIMONO (feat. 米津玄師)”)はよかった。結局、中田ヤスタカが好きなんだなあって思った」

――人にもあんまり会ってなかったですか?

「いや、岡村(靖幸)さんがよく連絡くれるようになって。それはすごくうれしい」

――『TV Bros.』で対談してましたよね。

「そう、あれ以来。飲みにも行って。あとは蔦谷好位置くんとはよく会ってる。プロデューサーだから、曲に対する意見をくれるんだよね。それをちゃんと聞いて、受け入れるところは受け入れて。なかなか意見を言ってくれる人っていないから」

――蔦谷さんはもともとヒップホップも好きなんですよね。

「そう。ヒップホップのトラックを作ってたときもあったみたいで」

――いつか一緒に制作してもハマりそうですよね。

「そうだね。自分の作品もそうだし、ほかのアーティストのプロデューサー業を進めていくなかで、彼のように楽譜も書けて、オーケストレーションまで操れる人がいたらいいなと思うことはあるからね。それこそ打ち込みの方法論もわかってるし、俺のよさを消さずにサポートしてくれるかなって。それこそ、岡村さんともいつか一緒に何かやってみたいなって思う。岡村さんもなんでもできる人だから。何か一緒に作ってみたい」

――岡村さんには「908 FESTIVAL」にも出てもらいたいですよね。

「うん。それも一緒に曲を作ってからの話になるのかな。『908 FES』ってだいたい楽曲上で共演したアーティストが出るから。だから、『908 FES』に出てもらいたい人と曲を作ればいいんだなと思って。そう考えると、逆転の発想で『908 FES』でやるためのアルバムを作れば、いろんな人と一緒に曲を作れるなって思ったり(笑)。ドクター・ドレーのアルバムみたいに『KREVA出てこねー!』ってなってもおもしろいかなと思って。人にトラックを渡して、メロディと歌詞を書いてきてもらって、俺は16小節だけラップを乗せるとかね。そういうのがアルバムの全曲だったらすげえ早くできると思う(笑)」

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