THE BEAT GARDEN 「約束と幸せ」のシングル『Promise you』を語る(2)
ディレクションのおかげで、自分の癖もよく理解できた。それが今後の可能性を広げてくれた
――2曲目の“Guilty pleasure”は、許されざる恋を大人っぽく描いた楽曲ですよね。
U これは“Promise you”よりも先に完成してた曲でした。マスタリングまで終えた状態でストックしてあって、“Promise you”の対比としてここに並んだら面白いかもと思って。メロディはほかの作家さんに書いてもらって、最初は違う雰囲気の曲だったんです。全然エレクトロな感じでもなくて、BPMも違って。歌詞は実体験……とは言いづらい内容ではあるんですけど(笑)、実際にあった恋のことで、僕はひとりの人を思って書いた曲です。また違った聴こえ方として、濡れ感というか、湿度の高さがTHE BEAT GARDENらしいなと思うし。またREIのトラックが合わさった時にいい違和感がまた生まれて、癖のある一曲になったんじゃないかなと思います。
REI それこそ“Promise you”はリード曲なので、メロディラインと歌詞の世界観、メッセージ性を伝えたいっていうのがあって、すごくコード進行やギターのリフとかを考えて計算して組み立てた曲だったんですけど、“Guilty pleasure”に関しては頭で考えるより感覚で……そっち重視の作り方をしました。これまで僕は考えこんで作るタイプだったから、自分なりに新しい作り方ができて、体をゆらすにはちょうどいい楽曲になったと思います。
MASATO 僕“Guilty pleasure”が大好きなんです。いちばん好きって言ってもいいくらい。こういうスリリングな歌詞って、実はUさん多いんですよ、インディーズの頃から。こういう心境は自分も好きで、すごいツボな曲です。自分の中のど真ん中。シンセが歪んでくる感じとかも。
――そして3曲目は、80’sテイストも漂う、ポップファンクのような、これまた新機軸が見えた曲で。
U 今回は、収録される3曲とも全部自分たちの曲でいってもいいかなと思ってたんですけど、THE BEAT GARDENというものがより明確になってきた今、もう1回、ほかの人が描くTHE BEAT GARDENを聴いてみたいなっていうのが4人にあって。で、今回はこの“Sky’s The Limit”を作ってもらったんですけど。こういう感じは、今までとは違うけど、僕らが歌っても違和感がない曲だったので、すごい面白いなと思いました。ボーカルディレクションも、いつもは3人で話し合って作っていくんですけど、今回はそれも全部作曲家の人にお願いして。「ここはもっと伸ばしてほしい」とか、「ここはビブラートをかけないで」とか、そういうアドバイスもいただきました。ブースに入って、自分なりに考えてきた歌い方をその場で全部変えてらうこともあったので、すごい発見がありましたね。「こういう歌い方をすればもっとエレクトロに聞こえるんだ」とか、英語の発音の区切りとか、次回以降のTHE BEAT GARDENにも生かせるような。
MASATO 僕も今回、初めてすべてを提供していただくっていうのは、すごく楽しみでした。完成してみたら、予想以上にTHE BEAT GARDEN色が出ていて、自分たちの曲としても違和感がないような曲に仕上がったなと思います。それに、ディレクションのおかげで、自分の癖とかもよく理解できたんですよね。それが今後の可能性を広げてくれた感じです。
――トラックメイクの面でも新しい発見はありましたか?
REI 音を作ってる人ってみんなそうだと思うんですけど、普段はセッションファイルって自分しか見ないじゃないですか。なので、ほかのメジャーシーンの方のファイルってなかなか見ることはないんですけど、今回それをファイルとして見させてもらって。ああこういう作り方なのかとか、こういうのもありなんだなっていうのがすごく勉強になりました。ボーカルのミックスの仕方も全然質感が違ったミックスで。3曲並べてみても“Sky’s The Limit”は別物っていうか、いい意味で別の色が出ました。もともとの曲はBPMが130くらいだったんですけど、それを120くらいに落としてミドルチューンにしたので、ライブでもすごく映えそうだなと思ってます。
――ゆったり笑顔で躍る光景が目に浮かぶ曲でした。
SATORU THE BEAT GARDENに今までありそうでなかった曲で、いまREI君が言ったように、BPMをちょっと落とした曲なので、ノリ方が他の曲とは違ってハッピーな感じになるんじゃないかなと思いますね。
「THE BEAT GARDENってこういうグループなんです」って、前よりも強く言えるようになった。その自信がいちばんの収穫かもしれない
――今回も3曲、違った表情の楽曲が並んで、前作と比べてもグループとしての可能性がより広がったような印象を受けます。成長感とか、自分たちで感じたりしていますか?
U さっきMASATOも言ったように、今まではTHE BEAT GARDENというものを探していたと思うんです。これが徐々に自分たちでわかってきたっていうのはありますよね。“Promise you”は「TGC」(東京ガールズコレクション)のステージで歌ったんですよ。お客さんは、初めて聴く曲でも、歌を聴きながら手を上げてくれたりして、自分たちが思い描いていたものに近いリアクションが返ってきたんです。だから、歌がうまくなったとか、そういうことではなくて、「THE BEAT GARDENってこういうグループなんです」って、前よりも強く言えるようになった気がします。その自信がいちばんの収穫かもしれない。
REI 僕もUさんに同意ですね。
U けっこうみんなで話し合ってるもんね。
――全員でそういう話もよくするんですか?
U もう、めっちゃしますよ。真面目な話からくだらない話まで(笑)。誰かが切り出したら、もう止まらないです。
MASATO ライブが終わった後も、「はいお疲れ〜!」ってハイタッチするような感じじゃないもんね、僕ら。1回、反省会モードに入るんで。いいライブができた時でも、「いい自信になったね」みたいな会話がそこで行われる。
U そう。その話し合いが終わった後で、ようやくハイタッチ(笑)。
――そこで出てくる反省点って、どういうことが多いんですか?
MASATO いろいろですよ。「あのMCだめだったわー」とか、「今日はすごくよかったね」ってみんなが言ってる横で、REIだけ下を向いてたりとか(笑)。みんなが落ち込んでる時は、SATORUがそっとタオルをかけてくれるんです。
――今回の2ndシングルは、グループとしても自由度が高くなってきている感じもあります。エレクトリック・ダンス・ロックという、グループ独自のジャンルは提示されているんですけど、その言葉にしばられていないというか。
U いい意味で楽になって、自然で熱いというか、そういう自由さはあるかもしれないです。
REI この2ndよりも、次、今作ろうとしている曲のほうが「自由」っていう言葉が当てはまるかもしれない。最近は、やりたいものがすごく頭の中でふくらんでいるので、それを自分たちの色に落とし込んで、新しいものができるんじゃないかなという気持ちでワクワクしています。
MASATO REIはもちろんライブを意識して作ってるんで、レコーディングして完成したときに、たぶん全員がライブの光景を想像できるんだと思う。それが自然にパフォーマンスになって現れてるし、お客さんが思い描いていたように踊ってくれる。それがすごく嬉しいです。
提供:ユニバーサル・シグマ
企画・制作:RO69編集部