なんでこういうバンドが今生まれるのかなと思って。ほんと俺ってついてるなあと(加山)

──ちょうど加山さんがいらっしゃる直前、“I Simple Say”が名曲だという話をみなさんとしていたんですが――。

加山 そんなこと言われると困っちゃうよねえ(笑)。

古市・武藤・山本 (笑)。

加山 ほんとに朝、パパパパッと言葉が出てきて、すぐメロディがどんどん……あっという間にできちゃったんだよね。それで、そのアレンジを出したら、「あれ、言葉が足りねえや」ってなって、その場で足したじゃん? 最初は《When I saw you again〜》っていう歌詞はなかったんだよね、8小節分ぐらい。後からその場で作ってさ。だけど、音楽作る時ってそうだけど、ノると全然違うんだよな。やる気というか、気持ちの問題だと思うんだけど……(編集部・若田に)いい写真撮れてる?

若田 はい(笑)。もう少し撮らせていただけますか?

加山 どうぞどうぞ。

──(笑)。でも改めて、THE King ALL STARSってやっぱり奇跡のバンドですよね。

加山 うん。俺もそう思う。なんでこういうバンドが今生まれるのかなと思って。ほんと俺ってついてるなあと思って。

──とはいえ、世代を超えてこのメンバーが集まったのは、ラッキーのおかげではなくて、加山さんの情熱がでっかい原動力になってるからですよね。

加山 そりゃそうだよね。俺は、音楽は生涯の親友って位置づけてるわけ。だから、やる気になった時にはグワーッてなるし、ならない時には他のことやってるし、ってなってたわけだけども……でも、こうしてひとつの方向性が出てきたわけじゃない? で、ロックだからって、スロウやっちゃいけないわけじゃなくて、ロックっぽいスロウだってあるわけだし。サウンドの新しい曲を作ることだって考えられるわけだよ。俺、昔からコンピューターにものすごく興味があって、打ち込んでいろんな音を出したりしてたら、今はみんなそれをやりだしてるじゃない? 簡単に。この間聴いた、ファレル・ウィリアムスの“Happy”っていう曲は、コードが4つしかなくて、それがほんのちょっと動いてるだけで、繰り返し繰り返し――それであれだけの面白さ、カッコよさを出せてるのは何だろう?って思うもんね。シンプル・イズ・ベストっていうのは今でも生きてるしね。そういうのも我々は取り入れたらいいと思うし。コードがどんどん変わればいいわけじゃなくて……その点、武藤さんの曲(“Dr."K"”)がいいんだよ!

武藤 (笑)。

加山 あの、「繰り返す」っていうのは人間ものすごく大事なことで。カノンもそうじゃない? 人間にとって、あれは気持ちいいんだよな。

──この奇跡のバンドがどう進化するのか、これからも楽しみにしてます。

加山 俺、4月で78歳になったんだけど。昔、左卜全っていう人が“老人と子供のポルカ”を歌った時、あのおじいちゃん76歳だったんだって。それでミリオンセラーやってるんだから、俺らもやれないわけないじゃん!って。

古市・武藤・山本 (笑)。

加山 だけど、今はCDで売っていく時代じゃないからさ。もう配信、配信で。ファレルだって何だって、好きなものをリストアップしていけば聴けちゃうわけだから――音だけ認知してもらう方法がすごく重要だと思うんだよね。どっかで繰り返し聴いてるうちに「あれいいなあ」ってね。若い人たちと、ものすごく年をとった人間がやってるんで、その中間的なところに音が届くようにするっていうかさ。ある程度、年齢が行ってる人はCD買うと思うんだよ。そういう人たちがまだいるっていうことだけは忘れちゃいけないし、そこは大事にしたほうがいいと思うしね。

提供:ドリーミュージック

企画・制作:RO69編集部

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