【インタビュー】PK shampoo、ヤマトパンクスが語る反抗と挑戦の日々――自らの根本を見つめ直し、強度を高めたメジャー1st EP『再定義 E.P』 で掴んだ現在地

【インタビュー】PK shampoo、ヤマトパンクスが語る反抗と挑戦の日々――自らの根本を見つめ直し、強度を高めたメジャー1st EP『再定義 E.P』 で掴んだ現在地

しょうもない時間や嫌な時間もあると思うんですけど、続けていけばそれも最低じゃないし。それを有言実行するわけでもないんですが、できる限りのところまでは続けていきたいですね

――「PSYCHIC FES」、お疲れさまでした。

「ありがとうございます。もう、やめましょう、あんなこと(笑)」

――大成功だと思いますけど、想像していたパーティーとは違いました?

「概ね、やりたいことはできたかなっていう。もっとこうしたかったなっていうのはあるんですけど、これさえあれば、みたいな失敗はそんなになかったなって」

――開催中、フロアでライブを観たり、ステージに呼び込まれたり、ヤマトさんご自身も自由に楽しんでた印象でした。

「僕、イベンターとか主催者っていうよりかはそのパーティーの一員になりたかったんで、当然そうなっていくというか。アドレナリンを補っていかないとトリまで持たないだろうし、っていうところもありましたけどね(笑)」

――PK shampooはトリとしてZepp Shinjukuでライブをされましたが、観客が押し寄せてパンパンになっていて、熱気が充満するいい光景で締めくくれたと感じました。

「あんだけ(チケットを)売っても赤字だって言われて、あれ以上は消防法を変えるしかないですもんね、あとは(笑)」

――来年には第2回を大阪で開催するとお話しされてましたね。

「終わらせたらダメかなって、パーティーっていうのは」

――深いですね、それ。

「別のインタビューで、ヤマトさんにとってパーティーとは?と聞かれたとき、そこで咄嗟に次のパーティーがあることです、って言っちゃったんで。でも、ダサくもありつつ、そういうイメージもわかるなって。しょうもない時間や嫌な時間もあると思うんですけど、続けていけばそれも最低じゃないし。それを有言実行するわけでもないんですが、できる限りのところまでは続けていきたいですね」

【インタビュー】PK shampoo、ヤマトパンクスが語る反抗と挑戦の日々――自らの根本を見つめ直し、強度を高めたメジャー1st EP『再定義 E.P』 で掴んだ現在地

実際、それの集大成っていうと大げさですけど、「PSYCHIC FES」も僕が最初からメジャーレーベルに入って、音楽だけ作ってたらできひんことだったかもしれないし

――「PSYCHIC FES」をやり遂げたあと、すぐに『再定義 E.P』がリリースされます。

「そうっすね……やってられないですね(笑)」

――ハハハハ(笑)。ちなみに、メジャーデビューというのは思い切った決断だったんですか?

「僕ら、メジャーからの話を持ちかけてもらうことは結構多かったんですよ。ずっとお金をかけてくれてたり、イベントを組んでもらったり。そういうお金を前のマネージャーに全部盗まれて飛ばれたんですけど(笑)」

――そんなこともありましたね(笑)。

「そういうゴタゴタも含めて、懇意にしてもらってた事務所やレーベルの方とも気まずくなって、ゼロから仕切り直しっていうところから始まったのが今回のメジャーデビューにまつわるエトセトラって感じで。一緒にゼロからやろうや、って話もちょこちょこいただいてたりしたけど、ホンマにゼロから作ることになるじゃないですか。ヘトヘトやったし、それもちょっとしんどいかもな、とか」

――そういうところに労力を費やすのはちょっと、みたいな。

「しかも、(前マネージャーに)各方面への未払金も残されてたんで、それをインディーズの規模感でやってる人たちに背負わすのもな、みたいなところもあったし。結局、その未払金はツアーで返したんで、どこのレーベルでやってもあんま関係なかったのかもしれないんですけど」

――積極的に掴みに行ったというわけではなかった、と。

「周りの友達がメジャーレーベルとイチャイチャしてたりすると、お前も変わってもうたな、ってわざと言うぐらいの感じでずっとやってきたし。メジャーじゃないことの――ってかっこつけてますけど、変化球というか、おもくそボール球みたいなことをわりかし好き勝手にやれたんで、そんな時期も一種の財産というか。実際、それの集大成っていうと大げさですけど、『PSYCHIC FES』も僕が最初からメジャーレーベルに入って、音楽だけ作ってたらできひんことだったかもしれないし。でも、それもしんどいなと思ってたところやったんで、メジャーに行ってやるか、みたいな(笑)。ありがたいことですけどね」

――そういった中でメジャー第1弾として発表される作品に再定義と名づけたのはどうしてだったんですか?

「いろんな角度の話があるから、こういう意味で再定義にした、って言うのは難しいんですけど……まあ、いきなりメジャーの1枚目で売れ線に走るのはどうなんやろうな、って」

――それはみんな望んでない気もしますし。

「かと言って、今までと同じ音像でやるのもちゃうやろ、ってところから考えて、この“死がふたりを分かつまで”は僕が(歌モノで)初めて書いた“君の秘密になりたい”をいちばん中心に据えて、ちょっとずつ今までの曲のセルフサンプリングをちりばめた曲なんですけど。そこに再定義って端書をすれば、コンセプトアートみたくなっていいんじゃないかな、みたいな」

――となると、制作のコンセプトとして選んだ切り口だったんですね。

「いちばん最初に思ったのはそこですね。もちろん、そこからアティチュードもそうやし、めっちゃ大きく言ってしまえば、音楽シーンやロックシーンを、って拡大できるやろうし、ものすごく自分ひとりの話にも持っていけるかな、みたいな」

【インタビュー】PK shampoo、ヤマトパンクスが語る反抗と挑戦の日々――自らの根本を見つめ直し、強度を高めたメジャー1st EP『再定義 E.P』 で掴んだ現在地
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