【インタビュー】冨岡愛とは何者か? 総再生数2億回超え“グッバイバイ”が国内外でヒットした理由を本人の証言から解く

【インタビュー】冨岡愛とは何者か? 総再生数2億回超え“グッバイバイ”が国内外でヒットした理由を本人の証言から解く

“ジェラシー”は恋愛の要素も入れつつ、人と自分を比べてしまう時に生まれる劣等感──私の場合、世代の近いミュージシャンの活躍がSNSやYouTubeですぐにわかっちゃうので、そんな中で生まれる感情を入れました。赤裸々に自分の気持ちを乗せた曲になってますね

──“グッバイバイ”以降、1曲1曲から「届けたい」という愛さんの強い気持ちが伝わってくるなというふうに感じ取ってて。

そうですね。“グッバイバイ”前は「J-POPはこうでないといけない」とか、変なこだわりを自分の中で作っていたと思うんですよ。“グッバイバイ”以降は、アレンジもですけど、ジャケ写やMVについても結構言えるようになって、すごくやりやすく、楽しく制作ができてるので、毎回満足して「本当に届けたい」という気持ちでリリースできてます。

──最新曲“ジェラシー”もSNSにたくさん動画が投稿されていて、リリース前からたくさんの人の耳に届いているような土壌ができていますが、これは愛さんの中でどういうところにこだわった曲だといえますか。

恋愛をテーマにした曲が多いんですけど、“ジェラシー”は恋愛の要素も入れつつ、人と自分を比べてしまう時に生まれる劣等感──私の場合、世代の近いミュージシャンの活躍が、SNSやYouTubeで見えちゃうので。

──それが数字ではっきり見えちゃうし。

すぐにわかっちゃうので、そんな中で生まれる感情を、2番の歌詞とかにはこだわって入れました。赤裸々に自分の気持ちを乗せた1曲になってますね。私の場合は音楽ですけど、他の子たちからしたら、SNSに載ってるキラキラ女子と自分を比べてしまうかもしれないし、恋愛においてのジェラシーももちろんあると思うし、いろんなところで共感してもらえるんじゃないかなと思ってます。


──Bメロの《持ってるもので勝負しなさい/そんな綺麗事で幸せに/なれるなら苦労なんてしないわ》(1番)、《運も全て実力のうちで/ずるい生き方ほど肯定されて/天才かただの馬鹿か決めつけられ》(2番)という部分は、心の奥にあるものを見せられた瞬間のような、ドキッとするものがあって。

嬉しいです。Bメロがいちばん強いポイントになってるかもしれないです。「持ってるもので勝負しなさい」って、よく言いますもんね。それはルックスのことだったり、いろんな場面であると思うんですけど。

──「あなたの個性は美しい」とか言われるけど、そんな正しさを飲み込めない時ってありますしね。

ありますよね。1番はいろんな人が共感してくれるんじゃないかなと思います。2番はどちらかというと自分宛てに書いちゃったところが強いですね。「運もすべて実力のうち」って言われがちだと思うし、天才と馬鹿は紙一重って言うじゃないですか。そういうところも歌詞に入れられたらなと思って入れてみました。

──この曲は、あえてとてもシンプルな英語を混ぜてきてるのかなと思ったりして。

そうですね。英語を入れないという縛りは自分の中でやめようと思ったんですけど、逆にわかりづらい英語を入れがちだったんですよ。聴いてもらって「ちょっとわからないかも」「ちょっと難しいかも」ってなることがあったので、わかりやすさを重視したいなと思って、絶対にわかる《I want you》《I miss you》とかを使いました。“グッバイバイ”も《Be by your side》とか、すごくシンプルな言葉を使ってるんですよね。「ジェラシー」とかメインテーマ以外の英語の言葉は、できる限りわかりやすく書きました。

【インタビュー】冨岡愛とは何者か? 総再生数2億回超え“グッバイバイ”が国内外でヒットした理由を本人の証言から解く

──日本で老若男女に聴いてもらえるような工夫をしつつ、海外の人が聴いても耳心地がいいものを意識した、ということですよね。

そうですね。“グッバイバイ”が韓国で伸びてくれたことももちろん嬉しいんですけど、国内でもっと届けたいという想いが今は強くて、それが自分の中でいちばんのモチベーションではあります。でも国外の方にももちろん届けたいと思っているので、そういうところを最近は常に意識してますね。

──“ジェラシー”のアレンジに関しては、どういうことを考えてましたか。

今回のメロディラインはJ-POPに近いものになっているので、アレンジ次第では王道J-POPになりやすいなと思って、特に打ち込みと生音のバランスをアレンジャーのMEG(MEGMETAL)さんと話し合いました。「ローファイを効かせてほしい」とか、「明るくしすぎると本当に明るいJ-POPになっちゃう」とか、そういう話もさせていただきましたね。MEGさんとは4曲連続でやらせてもらってるんですけど、今回も頭の3行をラジオボイスにしてみようといったアイデアも提案してくださって、すごくかっこよく仕上がったなって思います。Bメロに関しては、いつもドラムとかリズム隊のリクエストをすることが多いんですけど、今回はそこまで目立たせなくていいかもってお伝えさせていただいて。さっきも言ったみたいに歌詞にこだわりを入れてるので、強く歌いたいからこそ声をちょっと前に出してほしいとかのリクエストをさせていただきました。

【インタビュー】冨岡愛とは何者か? 総再生数2億回超え“グッバイバイ”が国内外でヒットした理由を本人の証言から解く

私、応援歌を書きたいなとずっと思ってて。ここぞという時に寄り添ってくれる音楽って、その声や歌詞が心にも体にも染みついてる気がして。自分もそういう存在になりたい

──着実に理想に向けて階段を上がれている実感はありますか? それとも、自分の中ではまだまだこれからという感じ?

目の前に出てくるデータとかを見てたら、確かに着実に進めているのかなと思えてますけど、やっぱりもっと頑張りたいですね。音楽を長く続けていきたいので、ずっと音楽と付き合っていくためにもっと頑張りたいなと思ってます。

──今後、どんな曲を作りたいと思ってますか?

私、応援歌を書きたいなとずっと思ってて。それがひとつの目標ではあるんですけど、なかなか難しくて。頑張ってる人に頑張れって言うのも違うし、どういう言葉を並べたらいいんだろうって、すごく考えちゃって。いつかは絶対に応援歌を書きたいし、幅広いジャンルの曲を届けられたらなと思ってます。

──「応援歌を書きたい」って、はっきり言えるアーティストはすごくかっこいいと思う。

私自身、恋愛の曲とかも聴くんですけど、ここぞという時に聴いてる曲が1曲あって。マイリー・サイラスの“The Climb”なんですけど。その曲を大事なライブ前とかに聴くことが多くて。そういう時に寄り添ってくれる音楽って、その声や歌詞が心にも体にも染みついてる気がして。自分もそういう存在になりたいなと思います。

──誰かの心と体と人生にまで染み込む曲を作り続けてください。今、目の前の目標は?

今年の目標はたくさん曲を書くこと。あとは、ライブがすごく好きなのでいろんな場所でライブをやりたいです。大きな会場で歌うことがいちばんの目標ですね。韓国のライブでお客さんと触れ合うたびに、音楽を通したら国境がないというか、何を言ってるか100%わかってなくても音を楽しんでる感覚で会いに来てくれてることが実感できたので、とりあえず国内外でたくさんライブをしたいという気持ちが強いですね。本当に簡単なフレーズではあるんですけど、大きな会場で歌いたいです。

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