──“SPEC!”は、ラップパートがあるかと思えば、中盤はメロディアスになる展開がすごく面白いのですが、どこを出発点にして作っていったんですか。人と比べんでいいよって。自分にしかない絶対的なスペックが必ずあると思ってる
アークティック・モンキーズ然り、UKロックのリフがある曲が好きやったんですよ。それの影響がもろに出てて。一旦自分の原点に戻って、今の自分の作る曲と、昔の自分の好きなものをミックスさせた感じです。
──歌詞も、前半と後半で違っていて。前半は、人生がなかなかうまくいかなくて足掻いてる人の視点で、最後のほうはどんどんセルフボースティングのようになっていきます。どういう思いで作ったんでしょう。
前半の歌詞は、ずっと自信のない僕の感情。後半は、こうなっていけたらいいなという希望ですね。感情の揺らぎが激しいので、たまにこういう無敵な気分になることもあるんです。僕は常に弱気で強気だけど、どっちも必要で大切やなと思ってるんで、その両方の要素を1番と2番で分けたって感じですかね。
──自分に自信がないのはなぜだと思いますか。
圧倒的に他人との比較っすよね。自分のスペックと他人のスペックを比べることは、自信をなくす大きな原因の1個やと思う。
──まさに、この曲はそういうことをテーマにしてる曲ですよね。
本当にそうです。今の時代は特に、自信ない人のほうが多いかもしれない。僕も人と比べちゃって全然自信ないんで、あんまり人に言える立場でもないんですけど。相対的に比べたら、人との差は絶対ある。仮に自分のほうが優れてると思えたとしても、それはそれで人と比べちゃってるわけで。とにかく人と比べんでいいよってことですかね。僕は、自分にしかない絶対的なスペックが必ずあると思ってて。《絶対的で/自分的なスペック》って言ってるんですけど、そっちが大事というか。
──初めてのワンマンツアー「UNREAL」はどうでしたか。自分はひとりの時期が怖かったんで、みんなのこともひとりにさせたくない。つながっていたいですね
僕はほんとにまだまだですね、もう未熟中の未熟(笑)。経験値が足りない。でも、だからこそもっと成長できる。伸び代が9割ぐらいだなっていう感じ。これからは、そこをどう埋めていくかという作業になっていくんかな。1回目の公演ではしゃいでたけど、4回目では「明らかに温存してたよね」ってめっちゃ言われたんで(笑)、反省して。まあでも、それも成長の1個やと思うし。自分の中ではほんとに勉強にもなった。楽しんでもらいたいなっていう気持ちはより強くなりました。まだライブ自体25回ぐらいしかやってないんで、もっと経験したいなって思いましたね。
──いつ見てもフロアの熱気がめちゃめちゃすごいなって思ってて。sanetiiさんのライブって、何か熱いことを言ってお客さんを煽るみたいなことはしてないんだけど、初見でもどう楽しめばいいか自然とわかるというか。
やっぱりみんなとつながっていたいんですね。僕は人の力を借りることは恥じゃないと思ってて、「みんなの力をください」ってずっと言ってきてるんですよ。だから曲も、みんなに歌ってもらえるところを多くして、ここはこうするんだよっていうのもわかりやすくしたい。誰も置いていきたくないんです。自分はひとりの時期が怖かったんで、みんなのこともひとりにさせたくないというのがあるんです。
──それがライブでいちばん心がけていることですか。
そうです。全体を巻き込んで、みんなで作りたいっていうのがずっとあって。ライブ中は誰ひとりとして孤独を感じてほしくないんです。
──“アメイジンググレイス”みたいな歌詞の曲でみんなが飛び跳ねてるって、冷静に考えるとおかしい話で。でもあの光景を作れるのはsanetiiさんしかいないな、と。
嬉しいです。でもヤバい歌詞ですから、確かに異常っすよねえ(笑)。
──次のワンマンツアー、「ANIMUS HAVEN」というタイトルはどういう意図でつけたんですか。
存在しないだろうなっていう言葉が僕は好きで。「animus」は、魂っていう捉え方をしてて。「haven」っていうのは、自分の中の依代じゃないけど、ひとつの居場所っていう意味合いを込めています。だから、あくまでも自分のイメージではあるんですけど、「ANIMUS HAVEN」は「魂の依代」って意味。さっき言ったように、誰もひとりになってほしくないし、自分もなりたくないし。“プロメテ”の歌詞もそうなんですけど、ひとつの居場所をみんなに提供します、みたいな感じでつけました。
──その思いが活動のすべてにつながってますね。
確かに。今言ってて気づきました。
──最後に、「ANIMUS HAVEN」に向けた思いを聞かせてください。
「UNREAL」は好きとか気になるとかで集まってくれた方も多かったと思うんですけど、「ANIMUS HAVEN」では、より自分の色を感じ取ってもらいたい。「これが僕です」っていうことをより定義づけできるようなツアーにしたいと思ってます。