──そういう意味じゃ、最新曲の“🔥おっかない🔥”は「怒」の曲ですよね。これは映画『俺ではない炎上』の話をもらって、どんなふうに作っていったんですか?何か言ったあとに「こう言ったほうがよかったな」って溢れるタイプ。その溢れた言葉たちが、曲になった感じですね。普段言えないことが溢れた、本当の言葉たちを入れました(KENTA)
KENTA 映画がSNSでの炎上をテーマにしていて。僕らも表に出るから、ステージ上の自分たちと普段の自分たちの違いに対していわれのないことを書かれることがあって、炎上については思うことがあったんです。だから自分が思うことと、周りを見て「ここまで言われないといかんかな」って思うこと、そういう周りの気持ちも汲みながら、代表して歌えたらいいなって思いで作りました。「おっかない」っていうのは俺の口癖なんですよ。
FUJI よく言ってますよ。
KENTA もう、まっすぐ見れば見るほどおっかないなって思う。その口癖をタイトルにしたんですけど、もう歌ったまんまですね。だからちょっとモヤモヤしてるタームの時には聴いてほしい。スカッとしてほしいな。
──口癖がタイトルになったというのは象徴的だけど、映画同様ちょっとユーモアで包んでみたり、ちょっと言葉遊びをしてみたり、いろいろなやり方が考えられる中で、本当に溢れるように言葉を叫んでいる感じだよね。
KENTA まあ、普段はそう思ってても、こんなにつらつら言えないんですよ。何か言ったあとに「こう言ったほうがよかったな」って溢れるタイプなんで。でもその溢れた言葉たちが、今回曲になった感じですね。普段言えないことが溢れた、本当の言葉たちを入れました。
──KO-SHINくんは“🔥おっかない🔥”についてはどうですか?
KO-SHIN ギター、すごくかっこいいですよ。
KENTA 今回はエフェクターは俺が担当してるんですよ。
──音色作りってこと?
KENTA いや、あの、抜いたり差したりとか、ペダルとか、ツマミの調整とか。
FUJI そんなことまで?
──じゃあ、KO-SHINは本当に弾いてるだけだ。
KENTA もうずっと弾いとってくれって言って、俺がツマミを触って。で、これ録ってみようって録って。だからこの曲、プリプロで使われたギターとか、使った音とかが結構入ってる。これ使えるやんっていうので。
──(笑)FUJIくんはこの曲の制作はどうでした?圧倒的に勝つための今やから。「圧倒的に勝つ」っていうのは別に周りがどうとかじゃなくて、ちゃんと自分たちで納得できるってこと。それが勝ちかな(KENTA)
FUJI サウンドに関しては、ギターのリフがすごいかっこよくて、そのフレーズが曲中ずっと入ってる感じで細かかったんで、ドラムもそれに合わせて細かくしたいなっていうビジョンがありました。こういう激しい曲って音色も激しい音になりがちなんですけど、そこは逆にきれいにしてもらって粒がしっかり見えるようにして。歌ってることはすごく攻撃的な部分もあるんですけど、サウンドとしてはノれるようなサウンドにしたいなと思ってレコーディングに挑みましたね。あと、このタイアップはなんとかやりたいっていう気持ちがあったんで、先に映画を観せてもらったうえで、監督さんとかに「こういう曲ができますよ」ってちゃんと提出して、決めてもらったという経緯があって。今までのWANIMAだったらあたふたする場面だったかもしれないんですけど。
──このタイミングでこういう映画の話が来て、こういう曲を作れたことの意味は大きいと思う。こういう曲ってアルバムにはあったけど、シングルになることってなかったじゃないですか。
FUJI やっぱり自分たちで提示していくことで新たなWANIMAの一面もキャッチしてもらえるのかなと思いますし、だからこそ自分たちで動いたっていう。
──それこそ、一度刷り込まれたイメージは根強いからね。
FUJI どうしてもそこのイメージって拭えてない。(自分たちの中では)結構露出してるつもりなんですけど、この間『バズリズム02』でテレビに出た時に、「WANIMAのボーカルって坊主だったんだ」みたいな人が未だにいるんですよ。去年のROCK IN JAPANに坊主で登場したり、話題作りはしてるって思ってても、本当にキャッチしてくれてるのはごくわずかな人で。マスメディアに出ると、まだ浸透してないこともあるんだっていうのを実感させられるんですよね。でもなんとかキャッチしてほしいなと思うし、自分たちもそうしてもらえるように発信し続けなきゃなって思いますね。
KENTA まあ、今の話だとなんか一生懸命頑張ってるおじさんみたいに見えるけど、振り向かせ方はチームで考えていきたいなって思ってて。今、自分たちはチームでいいと思ったものを出してて、特に今年出した曲は全部違うから、振り向いて気づいてもらえたら、その曲たちもキャッチしてくれるのかなって。
──ああ、なるほどね。一時期は何よりも「売れたい」が先に行っていたこともあったと思うんだけど──。
KENTA 今はもっと売れたいよ? もう圧倒的に売れたい。圧倒的に勝つための今やから。「圧倒的に勝つ」っていうのは別に周りがどうとかじゃなくて、ちゃんと自分たちで納得できるってこと。それが勝ちかな。
WANIMAのインタビュー全文は10月30日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』2025年12月号に掲載!
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