BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3

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BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
見事な「完全勝利」だった。

伝統と格式を何より重んじるヘヴィメタルの世界に、全く新しい形のメタルを提示して、JUDAS PRIEST、IRON MAIDENなどをこよなく愛する一家言を持つうるさいメタラーから、いままでメタルなんて聴いたことないという若者まで、約2万5千人のオーディエンスを歓喜の大合唱に巻き込んだ歴史的な一夜だった。

BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
決して大げさな言い回しではない。今日の光景は本当に夢みたいな現実なのだ。ほんの数年前には誰も予想しなかった光景を、BABYMETALは作り上げた。SU-METAL、YUIMETAL、MOAMETALの順番に現時点で17歳、16歳、15歳という見た目の印象とは裏腹に、今日の3人はステージ上で数倍、いや数十倍も凛々しく、逞しく映った。「メタル・レジンスタンス」というストーリーの枠内に収まるパフォーマンスではなく、その最先端に立って、まさに「かかって来いよ!」状態の肝の座ったハートを身に付けていた。  それもそのはず。今年5月から2度目のワールドツアー「BABYMETAL WORLD TOUR 2015」はメキシコを皮切りにカナダ、アメリカ、ドイツ、フランス、スイス、イタリア、オーストリアと駆け抜け、その最終日「〜巨大天下一メタル武道会〜」と題された今日を迎える間にも、「DOWNLOAD FESTIVAL 2015」に出演したDragonforceのステージに飛び入り(”ギミチョコ!!”で共演)、また、イギリスのメタル雑誌「KERRANG!」にて「THE SPIRIT OF INDEPENDENCE AWARD」受賞、同じく英音楽誌「METAL HAMMER」主催の「GOLDEN GODS AWARD 2015」にて「BREAKTHROUGH賞」受賞など、もはや世界が認めるメタルバンドの地位を確立している。

BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
開演17時を13分ほど過ぎた頃、オープニングは”BABYMETAL DEATH”で始まった。初っ端から地鳴りのようなオイオイコールが沸き、ステージは複数の火柱が上がり、観客の興奮は早くもマックス状態だ。超絶技巧の神バンドの演奏もオールスタンディングの幕張メッセを焼き付くさんばかりの熱量で襲いかかる。そして、2曲目には出し惜しみすることなく”ギミチョコ!!”で畳み掛ける攻勢ぶりで、再び火柱が上がり、KISSのライヴかと思うほどド派手な演出が続く。サビは耳をつんざく合唱で観客を一つに束ね、熱気は右肩上がりに上昇!

BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
”ド・キ・ド・キ☆モーニング”、”ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト”と挟み、ここで新曲”あわだまフィーバー”をプレイ。既にライヴで披露済みの曲だが、デジタルビートとポップなサビの弾けっぷり、さらにコミカルなダンスも相まって耳目は釘付けになった。YUIMETAL、MOAMETALがBLACK BABYMETALに扮する”おねだり大作戦”も鉄板の盛り上がりを見せると、SU-METALの麗しい歌唱力を堪能できる”紅月-アカツキ-”も素晴らしいの一言。一滴の濁りなき絶唱が幕張メッセの隅々にまで浸透していた。

BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
BABYMETAL@幕張メッセ 国際展示場 1~3
中盤過ぎには再びYUIMETAL、MOAMETALによる人気曲”4の歌”が炸裂。魔法陣が描かれた三角形のステージ下に2人が降り、「みんなの声はそんなものなの?」と執拗に焚き付け、「4!4!(よんよん)」の合唱へと力強く誘う。そして、スクリーンに「新たな調べ」という文字が浮かび上がり、初披露の新曲を放つ。これまた超キャッチーな歌メロを配した良質曲だった。それから”いいね!”、”メギツネ”と続き、個人的なハイライトはラスト3連発だ。不動の名曲”イジメ、ダメ、ゼッタイ”では恒例のウォール・オブ・デスが勃発し、加えて「かかって来いよ!」とSU-METALが曲中に吠えたのには正直驚いた。その煽り文句に一瞬耳を疑ったが、観客の士気を異様に高める形となり、最大級のコール&レスポンスが起こす。その後、”ヘドバンギャー!!”では文字通りに幕張メッセにヘドバンの嵐を吹かせると、最終曲”Road of Resistance”で堂々締め括った。イントロを聴いただけで涙腺が緩むメタルアンセムだが、ここでSlipknotのパーカッション隊のごとく、彼女たち3人が立つステージ台がせり上がるスペシャルな仕掛けもあり、その状態で2万5千人よる「ウォー!ウォー!」の大合唱を作り上げた。過去最大規模でBABYMETALと観客が"ONE"になる光景に、目頭が熱くなるほどの感動を覚えた。  ライヴ終了後、初の国内ツアー「BABYMETAL WORLD TOUR 2015 in JAPAN」を発表。世界をアッと驚かせ続けている彼女たちのパフォーマンスを是非体感してもらいたい。もう、本当に凄まじいから。(荒金良介)
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